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真砂鬼丸谷から口坊主 [三重県の山]

 
 4月8日の下見から2週間後の22日、往古川から口坊主を登ってきました。

 先々週の下見は、

 ① 駐車地から上流側の往古川・川原ルートの状況
 ② 真砂鬼丸谷入口から第一支流手前までの左岸道の状態
 ③ 山頂部の岩場にある立木の状態

 を見るためのものでした。それで分かったことは、
 
 ① 川原ルートよりも、ヘアピンカーブまで大台林道を歩き、真砂鬼丸谷と小木森谷の出合まで斜面を降って行くのが時間短縮できて良い
 ② 時間切れで確認できなかった
 ③ 口坊主を撮影した写真から判断すると、立木がありアンカーや支点を立木だけで設置できるかもしれない。山頂下の岩壁区間は短かそう

 というものでした。

 その他、検索で過去のブログ記事等を拝見し、参考にさせていただきました。ありがとうございます。


 実際に今回歩いてみた現在のルート状況は、
 真砂鬼丸谷入口から第一支流手前までの左岸道は …
 道抜け(斜面崩壊)多く荒廃しています。現在は照葉樹の落葉時期で堆積した落ち葉によりたいへん滑りやすくなっています。ほぼ全区間で滑落に注意です。

 第二支流をしばらく遡行したところにある滝下から尾根上までの区間 …
 尾根が近くなると急傾斜になります。2名で入った場合はスタカットにしたいところです。下降の場合は懸垂下降が安全で楽です。

 山頂東南東の岩場 …
 正面は小さな岩場です。 ロープなしでもOKかといいますと人それぞれですから説明しにくいです。ソロの場合は絶対に落ちないという覚悟で登らなければなりません。
 別ルートで岩場正面の登攀を回避することもできます。その別ルートの場合も岩場の危険地帯が複数箇所あります。そしてある程度のパワーが必要です。もしそこで確保等なしで失敗すれば岩壁を100m以上滑落します。下降の場合はどのルートも懸垂下降が安全です。


 以上ですが、全体的に難度が少し高く「沢登りが得意、岩も得意(技術並びに腕力、握力、指力がある)、道迷いしても復帰できる自信がある」という方ならば安心です。
 なぜあえてこのようなことを書くのかといいますと、
 例えば、岩場等の危険個所でパワー不足の方々がおられます。引っ張り上げてもらわなければ通過できないレベルの方々がこのコースに入った場合、パワー不足による失敗等で事故が起きる可能性が高くなります。林道を除いて、ここには大杉谷のように整備され楽に歩ける区間は全くありませんので、ある程度の技術とパワーは必要です。

 4月22日  晴れ 気温高し

駐車地0→0:19大台林道ヘアピンカーブ→0:26真砂鬼丸谷入口→
1:10真砂鬼丸谷第二支流出合→1:33尾根上→2:13休息地2:36→
3:10坊主尾根出合(三叉路)→3:21 P969→3:27鞍部3:30→
3:55口坊主山頂3:56→4:27鞍部4:32→4:43坊主尾根(三叉路)→
6:10真砂鬼丸谷第二支流出合→6:43真砂鬼丸谷入口→7:07駐車地


歩行距離  約10.5km

累積標高  1288m


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 GPS軌跡

 現地着は午前10時前で駐車地は2週間前とほぼ同じ場所、久瀬谷林道分岐点から約400m進んだ地点の大台林道サイドの広場です。
 到着後早速準備をして出発しました。今回のザックはいつもより大きく、登攀用具追加で通常山行に比べて約2倍の重さになりました。
 メインロープ(シングル)の重さは半端なくかなりの重量です。


view-at-p.jpg
 駐車地からの眺め


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 大台林道ヘアピンカーブから口坊主・奥坊主を見る


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 真砂鬼丸谷と小木森谷の出合にある堰堤


kuchibouzu-f-masagodeai.jpg
 真砂鬼丸谷入口から口坊主を見る

 上で書きましたように真砂鬼丸谷入口から第一支流手前までの左岸道は各所で抜け落ちており荒廃しています。またルートは照葉樹の落ち葉堆積で滑りやすく危険です。


daiichi-daini-shiryuu-deai.jpg
 左手は第一支流、右手は嵓 
 ここから100m余り進むと第二支流出合です。両支流とも出合はゴーロで伏流です。第二支流出合の80mほど先に本流真砂鬼丸谷の大滝が見えます。


taki-1.jpg
 本流・真砂鬼丸谷の大滝
  
 第二支流出合で左折して本流と別れ、第二支流涸れ沢をしばらく遡りました。


taki-2.jpg
 第二支流の滝
 出合からこの滝手前まで涸れ沢がつづき、この地点で水が出現します。水場としてはここが最後になります。
 ここで右折して急勾配の涸れ沢を登ります。所々木々にテープが付けられています。
 やがて涸れ沢が終わりさらに岩の多い急勾配の斜面登攀になります。木々および根っこが頼りでルート取りに注意です。2名の場合はスタカットで登りたいところです。尾根に達するまで気を抜くことができません。
 復路の下りの場合は懸垂下降が楽です。


one-shakunage.jpg
 尾根上のシャクナゲ
 尾根上には踏み跡があり、これまでより楽になります。踏み跡がはっきりしない区間もあります。

 この尾根を下りに利用する場合、踏み跡がはっきりしないところは要注意です。テープが間違った方向に付けられ危険な急斜面に進入してしまいます。

 私は下りの際、テープに導かれ危険地帯に入ってしまいました。そこでトラバースして尾根に復帰することは困難で登り返さなければなりませんでした。
 申し訳ないですが間違いテープの数が多すぎて回収はできませんでした。


sugi-1.jpg
 大杉1


sugi-2.jpg
 大杉2

 ルート上所々で大杉を見かけました。


bouzu-one.jpg
 標高900m付近で坊主尾根に到着
 ここで右折しました。地形図では読めませんが969mピークに至るまでに二つの小ピークを越えます。


P969.jpg
 969mピークより口坊主方面を見る


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 969mピーク少し下より口坊主を見る
 この写真ではわかりにくいですが右手に奥坊主が見えます。


sugi-3.jpg
 大杉3


iwa-one.jpg
 鞍部付近から岩尾根になる
 969mピークから降り進み、鞍部に着きました。鞍部に着いたころから両脚が攣り始めました。慣れない重いザックと高い気温による発汗過多が原因かもしれません。水は少ししか残っていませんでした。
 しばらく考えたのち、ザックを鞍部にデポすることにしました。重いメインザイルもデポしました。荷物は補助ザイル、シュリンゲ、シットハーネス、カラビナ、エイトカン等だけにし、身軽になりました。
 標高1000m近くまで登ると小さな岩壁につき当たりました。ルートは複数ありますが、いずれも危険です。岩上に到達し少し進むと山頂です。


kuchibouzu-top.jpg
 口坊主山頂
 大小のコウヤマキの林に囲まれた山頂です。
 計画では奥坊主まで行って折り返すことにしていました。しかし予定時間を一時間以上超過してしまいましたので奥坊主をあきらめ、ここで折り返すことにしました。
   
 岩場まで戻ると岩上には真新しい大きな動物の糞がありました。何も音がしませんでしたが動物の方は私の存在に気付いていたものと思われます。
 懸垂下降で岩下に降り、鞍部に戻りました。969mピークへの登りの途中でまた両脚に強い痙攣がおきました。足の親指を反らしたあと太ももと脹脛をマッサージしてしばらく休みました。
 幸い回復しましたので、その後ゆっくり歩きました。帰り道中は上で書きましたように道迷いがありました。尾根道に復帰して、それ以降は順調に進むことができました。

 開始から7時間07分後、おかげさまで充実した山歩きを終えることができました。


 



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