古い山用品 8 ウール製品 [古い山用品]
「昔よく使っていた山用品」の記事タイトルを「古い山道具」としてきましたが、何度か書いているうちに「道具」というよりも「用品」とした方が良いのではないかと思うようになりました。したがいまして今後は、「古い山道具」から「古い山用品」に改めます。過去の書き込みも「古い山用品」に書き換えることにしましたので、よろしくお願いします。
さて、私は10代後半の頃から山の入門書や月刊誌等を読むようになりました。それらの本を読んでいますと、山用衣料に関する記事には、「山で着る衣料の繊維はウールが最適で、ウール製品を着用しましょう」という説明と解説が必ずありました。
当初は半信半疑で、あまり信用していなかったのですが、実際に木綿やレーヨン、化繊、ウール等の衣料(特に下着)を着用して、使用感を確かめながら山行を重ねるうちに、秋・冬・春に関しては、書物の解説どおり、「濡れてもあまり寒く(冷たく)ならないウールはいい」という結論になりました。
したがいまして、30代のはじめ頃まで、普段着も含めてウール製品を好んで買っていたように思います。
その後、繊維会社の研究開発等により、化繊でも良い製品が次々に出てきましたので、私の山用衣料品は、ウールに加えて化繊も増えてゆきました。
化繊は、ウールのような、洗濯による縮み、虫食い、チクチク感等の欠点がなくて、扱いやすいので、現在の私の山用衣料の主流ですが(安物ばかり買ってます)、気象条件のきびしい冬には、今でもウールを着用することがあります。
前置きが長くなりましたが、今回は、私の若いころ使っていたウール製品をご紹介したいと思います。
デボルドのトックリセーター
ノルウェー DEVOLD社製のフィッシャーマンセーターです。人類で初めて南極点に到達したアムンゼン隊に採用されたセーターで有名です。20代前半のころに購入したものですが、山用というよりも主に普段着として使っていました。残念ながら、太毛のトックリセーターは、首周りがチクチクしたり、また行動で熱くなりすぎたりして、温度調節のしずらさがありましたので、冬山の行動着としては、向かなかったように思います。山用厚手のセーターの場合、クルーネックかVネックまたは前ジッパーがいいですね。
ウールワークシャツ
ウールワークシャツも30代のはじめ頃まで、よく買いましたので、現在もたくさん残っています。やはり、首周りがチクチクしましたので、私の場合、ワークシャツの下に肌に優しいメリノ・リブタートルを着ていました。
現在使っているアクリルワークシャツ
ウールのように洗剤を選ばないので扱いやすく、また肌触りも良好なので、現在はこの手のシャツを時々使っています。なお夏季には、同柄のポリエステル・綿混紡夏用山シャツを使うことがあります。綿やレーヨン混じりはダメだという人が多いですが、暑い日には、着用すると冷感があって具合がいいです。
次はウールの肌着です。「てめえの肌着なんて見たくないんだよ」と言われそうですが、製品として見てくださいね。
ウール100%肌着
現イオンに吸収されて、今は無きニチイで買った肌着です。当時(私の20代の頃)のニチイはウール製品がたいへん充実していたように思います。この肌着は、メリノの極細繊維で、チクチク感が全くありませんので、上下を何枚も買って、普段の下着としても使用していました。近年も冬山では使用することがあります。当時の登山洋品店のウール肌着には、チクチクするものもありましたので、たいへん良い買物をすることができたと思っています。
ウールマーク
ニューウール99.7%以上で、品質基準に合格した製品に使用できるマークだそうです
ウール60%肌着
これもニチイで買ったものですが、肌にやさしく使用感良好です。着用していると100%ウールよりも吸湿性が劣るのがよく判ります。
ウールマークブレンド
ニューウール50%以上で、品質基準に合格した製品に使用できるマークだそうです
次に山用靴下です。
厚手の山用ソックス
10代後半のころに買ったもので、made in England です。私的には、市販の中厚手・ウール・アクリル・ナイロン混紡靴下を2枚重ねて履いたほうが、履き心地が良かったので、あまり利用しませんでした。それで、今でもよい状態で残っています。
厚手の山用ニーソックス
20代のころ、安売りセールで3足まとめて買ったものです。私の場合、そのまま履きますと太糸の凹凸のために靴擦れしてしまいます。ですので、この靴下も内側に凹凸の無い中厚手・ウール・アクリル・ナイロン混紡靴下等を重ねて履いたほうがgoodです。凹凸のため、履き心地がイマイチでしたので、現在も新品が2足残っています。
扱いに注意が必要で、うっかり虫食いにしてしまいがちなウール製品ですが、検索して調べてみますと、様々な長所を持っている素晴らしい繊維なんですね。ウールのよさを再認識して、今後も大切にしてゆきたいと思います。