SSブログ

それでもイブキザサは生き残る [その他]


 5月18日に竜ヶ岳のイブキザサについて「このままですと、あと数年で笹が無くなってしまうかもしれません」と書きました。
 異論のある方々もおられると思いますが、私は鈴鹿における笹原の衰退は、90%以上鹿の食害(笹を食べるのは鹿だけではありません)によるものと考えています。
 その理由は、衰退エリアでは必ずといっていいほど鹿の大増殖・大集団を見てきたからです。
 たぶんイブネに始まり、その後 霊仙、御池、藤原、釈迦、仙・野登、入道 その他等の笹原がほぼ消滅しました。
 それなりにイブキザサの笹原が残っているエリアは、竜、御在所・鎌、雨乞 くらいかもしれません。
 これらの残存エリアでも、現在の消滅エリアでかつて生じた笹枯れ末期と同様、鹿の大増殖・大集団を見るようになっています。
 ですので、あと1~2年とはいいませんが、このままですと(何らかの停止要因がなければ)ほぼ10年以内に鈴鹿のイブキザサ群落は消滅してしまうであろうと思っています。
 
 以上ですが、現在のところ私は鹿を憎んでいるとかそのような感情を持っているわけではありません。かわいくて愛らしい動物だと思っています。
 しかし、ある意味において気持ちは少し複雑です。笹(およびその他のシカに食べられる植物)も遺伝子を持った生き物なんだし、食物連鎖とはいえあまりの一方的な減少に危惧を感じます。しぶとく生き抜いて将来的にまた繁茂してくれないでしょうか?
 また林業その他等鹿による被害を受けている方々様に同情します。私がその立場になればなんらかの防衛策をとるでしょう。
 どうすればよいのだろうかと時々考えたりしますが、提案できるような名案が思い浮かばないのが残念なところです。
(5月23日加筆修正)


 さてタイトルのように、それでもイブキザサは消滅エリアにおいて細々と生き残っています。矮小化して生きていたり、他のものにたまたま守られていたりします。

 イブネで生き残っているイブキザサ
ibune-sasa.jpg
 鹿の苦手なアセビに守られている 2013年


ibune-sasa-2.jpg
 上のイブキザサのアップ 2013年


sametouge-ishi.jpg
 佐目峠割れ石の隙間に守られて生きている 2013年


 かつて存在した笹原
1992-4-oike.jpg
 鈴北岳山頂少し下の笹原(御池岳山頂方面を見る) 1992年


1992-4-oike-f-takamuro.jpg
 高室山山頂付近の笹原(遠望は御池岳) 1992年


 鹿はショウジョウバカマを食べますので、このごろは下の写真のような大群落を見ることができません。
1992-4-shoujoubakama.jpg
 ショウジョウバカマの群落(高室山) 1992年









この広告は前回の更新から一定期間経過したブログに表示されています。更新すると自動で解除されます。