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八経ヶ岳~仏生嶽 往復縦走 復路 [奈良県の山]

 復路では遅れを取り戻すために早めに右へ折れました。途中で見つけた獣道を縦走路と勘違いしてワンダリングが始まりました。山腹を右回りにシラベの密生や岩場等の障害物を避けるためアップダウンを繰り返しながら進みました。
 間違っていると判っていながら、地図とコンパスで確認することもせず、気がついたときは仏生嶽北東尾根の標高1700m地点に到達していました。
 「迷ったら登れ」「迷ったら引き返せ」という山の鉄則がありますが、私はこれを無視しました。「直線的に避難小屋を目指せば楽に早く到達することができる」というバカな考えで山腹を歩き始めました。またまた針葉樹の密生や岩場に進行を阻まれ、大きくアップダウンを繰り返しながらの歩行になりました。やがて楊枝ヶ宿避難小屋南東約425m・標高1570m地点のガレ縁に到達しました。白川又川の中ノ又谷源流付近です。ガレの縁が切れ落ちているので横断は困難と判断しました。こんな場所に人間が入るのは希で、遭難すれば見つけてもらえないかもしれません。気分は最低、緊張で喉がカラカラになっていました。
ヘビをいじめた崇りなのか?
それとも俺がアホなのか?………
ここに来てようやく登り返すしかないと判断しました。
 上を見るとオスの大鹿がいました。その地点に行くと、よく踏まれた歩きやすそうな鹿道がありました。鹿たちもこのガレは横断できないということが判っていて、ガレ縁にルートを作ったのでしょう。有難く利用させていただきました。
 結局標高1740mの大峰主稜線まで登り返し、そこから右に折れて稜線を降ってゆきました。左手に縦走路を見つけたときはホッとしました。

 私は自分が方向音痴であることをよく知っています。にもかかわらずGPSを持っていません。ある種昔かたぎの意地がGPS購入をためらわせています。しかし、もう60代なのでスタミナとパワーで困難を切り抜けるのも難しくなって来るのではないかと思っています。この文明の利器を活用することも必要なのかもしれません。
 
 12:40避難小屋に戻ることができました。予定時刻11:45よりも55分遅れました。
水が少なくなっていたので補給のためザックを置いて水場へ水を汲みに行きました。 
12:55小屋で昼食。緊張と疲労のためか唾が出ないので、汲んできた水でご飯を胃の中に流し込みました。食後は疲労を回復させるため板間で仰向けになって10分ほど休みました。
 
 13:15小屋を出発。意外なことに疲労感をあまり感じずに歩くことができました。順調に歩いてゆくと七面山分岐のピークを過ぎてしばらく進んだ所で、ガサガサという音とともに前方30mほどの斜面を暗色の大きな動物が斜面を降りて行くのが見えました。体側と尻は確認できましたが顔を正面から見ることはできませんでした。熊なのか猪なのか区別できなかったのですが、いずれにしても私を襲わずに逃げてくれたので助かりました。
 この後も順調に歩いて15:00八経ヶ岳に到着。弥山方面から人の声が聞こえてきたので何かうれしくて心が温かくなってきました。



 
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 七面山の雄姿


 
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 仏生嶽を振り返る。枯れ木の右は釈迦ヶ岳


 
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 大峰主稜1690mピークと七面山


 
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 八経ヶ岳東面の風景


 
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 弥山神社では今日起こった出来事を反省してお祈りをしました。


 
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 ショウキラン


 
 弥山小屋前を15:25に出発。ジョグで下りたいところですが、このコースは足元があまり良くないので早足で下りました。多くの下山者を追い抜きましたが、途中しゃがんで写真を撮っている方に出会いました。「何を撮っているの?」と聞くと「ショウキランを撮っている」ということでした。私も撮らせて頂きました。
 16:33登山口に帰着することができました。


 反省すべきことが色々ある山行になりましたが、ケガもなく他人様に迷惑をかけるような事故を起こすこともなく帰着できたことをありがたく思います。

   
  
 

 

 
 


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